土と炎のみで生み出される備前焼
その独特の味わいは土と炎によってのみもたらされます。
それゆえ備前焼はシンプルな形状で色合いも素朴ですが、どこか品格も持ち合わせてます。
静かな雰囲気と落ち着いた色合いは、生ける花の鮮やかな色を引き立て、
そして食材とは自然に調和します。
制作工程
工程1 - 土作り
作品が焼成中の高温で割れないように十分に練って中に含まれている空気を除去します。
工程2 - 成形
ろくろ等を使い作品を形作ったら日陰において窯詰めまで乾燥させます。
工程3 - 窯詰め
窯の中の炎の流れを頭に描き、焼け色を想像しながら窯詰めします。
工程4 - 窯焚き
最も一般的な窯は、松割木を燃料に使用している「登り窯」です。慎重に温度を上げていき、最終的に約1250°Cに到達します。
工程5 - 窯出し
約10日間、窯を冷まして作品を慎重に窯から出します。その後、作品は目の細かいサンドペーパーで仕上げ、水洗いして完成です。
焼け色の種類
胡麻 - ごま -
黄色の部分が胡麻とよばれる色です。そして、しずくとなった形は玉垂れと呼ばれています。
桟切 - さんぎり -
主にこの青とグレーの部分を桟切と呼びます。灰に埋もれて酸素が当たらず還元焼成となって発色します。
緋襷 - ひだすき -
緋色の色をヒダスキと呼びます。稲ワラを巻いた部分が土の成分と反応して発色する緋色の模様。地肌とのコントラストが鮮やかで人気があります。
青備前 - あおびぜん -
作品が灰に覆われたりして直接窯の火が当たらず、いぶされた状態になり、還元焼成となります。その時に「青」を発色します。
伏せ焼き - ふせやき -
複数の作品を重ねて焼くことにより出来る色。直接火の当たる場所と、当たらない場所で焼け色が異なるのがこの窯変の妙です。
牡丹餅 - ぼたんもち -
ぐい呑などを載せて焼成した場合に、直接火が当たらない場所に発生する丸い模様を指します。